Fortunate Link―ツキの守り手―



「……どうって」

嫌な予感を感じつつ訊き返す。

「決まってるじゃないですか~」

夕月さんはけろりと笑い、

「勿論!アカツキさんを”好き”かどうか、”愛してる”かどうか、ですよ。英語で言えばアイ・ラブ・ユー?」

ストレート、物凄く直球に言ってきた。

「―――ッッ」

危うく食べていたものが逆流するところだった。
紅ショウガが喉に引っ掛って、涙が出てくる。


「あらあら。こりゃ聞くまでもありませんかね?」

こちらの悶える様子を見てクスクス笑ってくる。

何だか笑みがしだいに意地悪なものへと変わってきている…。間違いなく。


俺はよろよろと立ち上がり、流しでコップに水を汲む。

この場から逃げ出したい、最悪な気分で。


その後ろから、

「……先に言ってあげましょうか?」

「何のことだよ?」

自然、語調が尖る。きっとこの人はろくな事を言わない。

「なぁに。私からのちょっとしたサービスです」

絶対に何かを企んでる物凄くいい顔で笑う。

俺は訝しく思いつつ、水を呷り、


「アカツキさんはあなたのことを好きですよ」


「――ごぼぶっっ!!!!」

嚥下しかけてた水を噴水のごとく霧状に噴いた。


「うわーっ汚いですね」

「……げぼっげはっ。…な、何言って」

「言葉の通りの意味ですよ」

その目をアカツキのほうに向けながら「うふっ」と小悪魔な笑みを漏らし、

「言えなかった彼女の代わりに言ってあげたのです。私ってば親切だから」

「…げほっ。親切ぅ?」

「あなたも鈍いですねぇ。アカツキさんが何度も何かを言おうとしてたでしょ」

「……そうかもしれないけど」

そりゃ何か言おうとしてたのには気づいてたよ。にしても。

「いきなり話が飛びすぎだ」

酷い飛躍だ。

「飛んでなんかいませんよ」

それでも彼女はしれっとこう答える。


「アカツキさんはずっと告白の機を窺ってましたよ?」