「――はぁ?何ぬかしてんだ、てめぇ」
「――誰が仲がいいだって?」
俺とアカツキはほぼ同時に、その仲裁者を睨んでいた。
「ふふふ。そういうところが仲がいいって言ってるんですよ」
そいつは俺達を見て、楽しげにころころと笑う。
っていうか、その表情が思いっきりこちらをからかっているみたいで何かムカつく…。
とか思っていると、その当人は突然俺の方を向いて、
「それはそうとシュン君。あなた背中に怪我してるじゃないですか」
「………え」
云われて「あっ」と思い出す。
確かアカツキを庇う時に背中に刃が掠って…。
「いや。でもただの掠り傷だし」
それは全くもっての軽傷。今の今まで忘れるぐらいにどうってこともない。
なのに、
「ダメです。そういう油断がいけないんです」
なぜか、彼女はずいと接近してくる。
「手当てしましょう」
「いいって言ってんだろ」
思わず後ずさる。
「いいえ。すぐに処置しておかないと」
「何でだよ?ってか寄るな。近い」
こちらが一歩下がることに、相手も一歩近づいてくる。
「一塗りで治る秘伝の軟膏を持ってるんですよ。うふふふ」
極上の笑顔で笑う。
そのとびっきりの笑顔がすごく怖い。
「別にいらないってば」
「遠慮はご無用。上を脱いでください。さぁ」
「近い近いっ。だからいいって言ってんだろ!」
距離を詰めてくる圧迫感にこらえきれず逃げる。
「何で逃げるんですか?」
「あんたが異様にしつこいからだ!」
「だってちゃん手当てしないと。ほら」
「やめろって!」
捕まえようとしてくるその魔の手から逃がれようと身をよじった。

