「違うで」
瀬川は辛い棒ハバネロDXという駄菓子の袋をぺリッと剥きながら、あっさり否定した。
アカツキは既に奴と向き合う形でソファーに腰を下ろす。
俺もそれにならい、その隣に座した。
「でも同じ時期に編入って、できすぎじゃないか」
「うん、ほうやな」
「水波雅とかいったか。彼女は何者なんだ?」
「ほんなんふははらんへひふらへほはえへうほん…」
「…何言ってんのか分かんねぇよ」
奴の口は辛い棒で塞がれ、もごもご言っている。行儀悪い事このうえない。
「へっほふへへほうな…」
「だから何言ってんだ」
「ほへほへほほぉふへ…」
隣でブチリと何かが切れる音を聞いた気がした。
おもむろにアカツキが立ち上がる。
この空気はヤバイ。
「…てめっ、ちゃんと喋れやこら!」
ものっそい勢いで、奴の襟首を掴み上げていた。
こういう時のアカツキは怪力だ。何度も体験済みだからよく分かる。
「…ぐぶっげばっげはがはっ!!」
首が急に絞まり、辛い棒を喉に詰まらせたらしい。
目を白黒させ、むせまくっている。
「…げへげはがふっげふぁっ!」
真っ赤な顔をして非常に苦しげに悶えている。
見た感じ、生命の危機にある模様。
「……ったく」
何も訊き出せないまま勝手に死なれても困るので、仕方なく近くの流し台から水を汲んでやり渡した。

