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瀬川に案内された部屋は、部室にしてはなかなかしっかりした造りの部屋だった。
奥を見ると、窓には遮光カーテンがかかっており、壁にはダーツの的や古い海外の映画のポスターが貼られてたり、隅には水槽や人体模型や金属製の巨大な箱が並んでたり、どうにも雰囲気が怪しげだが。
手前にはパソコンやでっかいプリンター。
真ん中に応接用の感じのソファーやローテーブルなんかが有って。
よく見れば冷蔵庫や電気ポットや流し台やテレビまで完備。
ここで不自由なく生活とかできちゃうんじゃないの?
「まぁ、適当に座ってや」
瀬川はそう言い、ソファーにふんぞり返って座り、テレビのスイッチを入れた。
「…っていうか昨日編入してきたばかりのお前が、勝手にこの部屋を使っていいのかよ?」
我が物顔で部室を使っている瀬川に、最もな疑問をぶつけてみる。
「ええやん。別に誰もおらへんし」
そういう問題では無いと思うが…。
「ていうか、そんな得物まで持ってきて、えらい用心深いやん」
瀬川は俺の持つ竹刀袋をちらりと見やりながら笑う。
昨日、屋上でもう一人の編入生にいきなり襲われたときに丸腰だったことを省みて、校内でも油断しないようにと常に備えることにしたのだ。
こう見えて制服の中にも色々仕込んでいる。
「さては昨日、いきなり誰かに襲われたとか?」
見透かすように目を細めて、瀬川は言った。
俺はそんな瀬川を睨み据えて訊ねた。
「お前とあの二年の編入生は仲間か?」

