「どこってそんなの、奴の言ってた奇術部の部室とやら……ってあれ?」
歩いてきた廊下がどこかの教室に突き当たる。
プレートには【第二美術室】の文字。
それを見るなり短気なアカツキはすぐに憤慨した。
「…馬鹿野郎っ!全然違うじゃねぇか!」
耳たぶを引っ張られる。
「いたたた痛い!千切れるって!」
「おかしいと思ったんだ。確か奇術部の部室は北校舎の屋上の筈だ」
「んな訳ねぇだろ。ちょうどここの上だ、きっと」
「一回間違えておいて偉そうに言うな。私の方が正しい」
「いや俺の勘が正しい。それに北校舎の屋上っていえば演劇部と天文部の根城だろ」
「てめっ、それを言うならこの上は音楽室じゃねぇか」
「いーや。俺の中のダウジングの棒が上を示している」
「とち狂った勘で言ってんじゃねぇ…」
「――おーい。そこのお二人さん」
ぽむっと肩に手を置かれる。
その声にアカツキと俺は同時にピシッと固まった。
「痴話喧嘩はそこまでにしとき…」
しかし言い終わる前にアカツキが素早く動いた。
肩に置かれたその手を掴み、振り返りざまに問答無用で捻り上げたのだ。
「あだだだだだッ!!」
捻り上げの刑に遭ったそいつは、五月蝿いほどの悲鳴を上げた。

