女子達は一斉に振り返り、キッとその声の主を睨めつけた。
触れたら茨の棘のようにチクチク刺さりそうな非難の眼差しの応酬。
しかし相手はそれらを受けても平然と受け流した。
「あんな怪しげな関西弁男のどこがいいわけ?」
なおもそう言い募るのは――、
肩ぐらいまでの亜麻色の髪をさらりと流し、白磁のような肌を持つ小柄で可憐な女子生徒。
白石さんだった。
…あれ?何でここに別クラスの白石さんが?
と思いかけて気づく。
そういえば体育は二クラス合同なんだった。
白石さんはこっちを見てニコッと微笑む。
「安心して?私はシュン一筋だから」
「……」
えーっと。
これは何て答えればいいんですか?
言葉がストレートすぎてどきまぎしてしまう。
「何よ」
そう憤然と抗議し始めたのは女子の集団の一人。
「あなたの方こそ見る目が無いじゃない」
「もしかしてこんな普通っぽいのが好みなの?」
「せっかく可愛いんだから、もっと上を狙えばいいのに」
…こういう時の女子の結束力の高さは半端ない。
本人を目の前にしてここまでズバズバ言えちゃうんだね。
その発言一つ一つが矢のように心にドスドス命中。
容赦ない言葉の集団リンチに俺のか弱いハートはもうズタボロさ。はははは。
俺の心が白く灰になりかけていた矢先――、
「コラッ。そこ。何サボってるんだ!」
女子の体育教師の叱責の声が飛んできた。

