Fortunate Link―ツキの守り手―


俺は自分を落ち着かせるように、貰ったカフェオレにプスリとストローを差した。

「…気にしすぎだろ」

と、あくまで軽く言ってみるが、嫌な予感を薄々感じているのは俺も同じだった。

「…それに俺のことは気にするな。
その…お前を守るのは俺の意思だから、お前が気にするんじゃねーよ」

自分のセリフに痒いものを感じながら、誤魔化すようにじるるる…とカフェオレを飲み下す。

「………」

隣でアカツキがじっと俺の横顔を見つめる視線を感じる。
変な汗が制服の下から噴き出すのを感じる。

どうした、アカツキ。
ここは一発「えらそうなことほざくな馬鹿」とか言ってかますとこだろう。

「…ありがとう」

聞いたこともないような口調でアカツキは言った。

「…ぐ…げほっ」

びっくりのあまりに咽(むせ)た。
アカツキから礼を言うだなんて。

こんなことをしている場合じゃない。
病院だ病院。

さっきから奴の様子がおかしすぎる。
早く医者に診て貰わなければ。

しかしアカツキは変わらぬ口調で続ける。

「……お前のその気持ちは正直嬉しい」

「………」

…俺の知らぬ間に何かあったのだろうか…?

恐る恐るアカツキの表情を窺い見た、
曇ったその表情は嬉しそうには見えない。

アカツキは膝を抱え、また顔を俯かせた。

「……でも嬉しいけど、お前のことが心配になる。
つい考えてしまう。いつか母さんのようになってしまわないか、と」