二人の狭間を流れる空気が止まる。
オレンジ頭の背後に控えたその人物は、刃を下ろさず微動だにしない。
凍てついた黄金の瞳。
陽光を知らないかのような白磁の肌。
一際目を引く、白銀に煌めく長い髪。
まるで造形のような面立ちの女性。
俺はその顔を見て、しばし呆然とした。
何なんだろう。
この感覚は。
どうしても、どうしようもなく、その面影に感じてしまう既視感は…。
いや、分かっている。
……そうだ。
ここ最近、夢と幻の間に何度も出てくる、あの銀髪の女の人…。
その人に間違いないと、俺はなぜかそう瞬時に確信していた。
「見事…」
身動きの許されない状況のオレンジ頭が、ぽつりとそう呟いた。
銀髪の女性は動かないまま、口を開いた。
「…貴様、何のつもりで”彼ら”に近付いた?」
ちらりと一瞬俺の方へ視線をやり、オレンジ頭に訊ねた。
彼ら、とは俺も含まれているのか。
「…答えて欲しいんやったら、物騒なこれ収めてくれへん?」
オレンジ頭は首筋に刃を当てられながらも、飄々とそう言ってのけた。
この男、一体どんな神経をしているのか。
「………」
銀髪の相手は、表情を変えないまま、すっと刀だけ引いた。

