しかし、銃弾が、身体を突き抜けることはなかった。
俺は眼前の光景に目を瞠った。
白銀の長い髪が翻る。
閃く白刃。
不意に現れた”その人物”は、手に持った古風な拵えの得物――小太刀を逆袈裟に振り上げ、オレンジ頭の持つ銃の銃身下部を跳ね上げたらしい。
跳ねられ上げられた銃はオレンジ頭の男の手元から離れて宙を舞う。
「……つッ…」
手に走る痺れるような衝撃にオレンジ頭は顔を顰めながら、からくも地面に着地。
しかし崩れた体勢を直す隙も与えず、その横を影が走り抜いた。
オレンジ頭はとっさに身を捻ったが間に合わなかった。
「……うくっ」
その脇腹は浅く刃に切り裂かれていた。
しかし、”相手”はまだ流れるように続く。
後ろへ回ったその人物は体を反転させながら、オレンジ頭の背に廻り、その首筋に刃先を向ける。
オレンジ頭はピタリと動きを止めた。
その刃は薄く首筋に食い込み、もう少し動けば血管に達するところだった。

