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イベント終了後の控え室。
「どういうことか説明して貰おうか?!」
パイプ椅子に括り付けられた魔神役をしていたオレンジ色の髪の男相手にアカツキが問い詰めていた。
どうしても脅迫しているように見えてしまう。
まだ吊るし上げてはないところが、不幸中の幸いと云ったところか…。
「ちょっと話を面白くしたかっただけやねん。
目立ちたかってん」
男はヘラヘラと笑いながら言う。
猛犬の如きアカツキを目の前にしてこの余裕の態度。
さぞかし心臓に毛がボウボウ生えているに違いない。
アカツキのこめかみがピクピクと動いている。
こっちはそれを見ているだけでヒヤヒヤもんだ。
「まぁ何とか無事にショーは終わったことだし~。
いいじゃない。ね?」
たしなめるように言う妹分A。
そういえばそうだった。
あれだけシッチャカメッチャカやったのに、
ラストは観客の盛大な拍手でもって締めくくられたのだった。
寛容を通り越して、みんなおかしくないか?
「いいわけあるかっ!」
憤然とお怒りの様子のアカツキ。
「…蓮(レン)」
名前を呟く声。
その声がした方をふと見る。
そこにはなぜか少し険しい表情をした白石さんが、オレンジ頭の男の方を見据えていた。
「なんであなたがここに居るの?」
男にそう問いかけた。

