Fortunate Link―ツキの守り手―



――ドォォン!!


茶色い煙が円筒から噴射された。

想定外の出来事に戦士達は一様に固まった。

しかし一瞬後に、

「く…くさっ!!」

皆、煙を払いのけるように手を振り回す。

確かに臭い!臭すぎる!!


もくもくとした煙はしだいに晴れていく。

そして、その煙がもろに命中したピンクはといえば…

「…くさぃん…」

目を廻して気絶していた。
演技をしているようには見えない。

「マジか…」

ただ事ではない。

はっと慌てて魔神のほうに目をやる。


すると…円筒の穴が既にこちらを向いていた。

即ちその照準が俺のほうに向けられていた。

「…ええぇっ?!嘘ぉ?!」

冗談じゃない。

だが、逃げようにも間に合いそうにない。

「シュン!!」

アカツキの叫ぶ声。


――カチッ…

「あり?」

敵は首を傾げながら、何度もカチカチとバズーカのスイッチを押すが何の反応もない。

――不発?!

いまだ首を傾げている魔神の背後にしのび寄る影があった。

「月影キーック!!」

魔神の背中に突き刺さるドロップキック。
ブラックもといアカツキだった。

「ぐほっ!!」

派手に倒れこむ魔神鹿のフン。


その周りを戦士達が取り囲んだ。

「よくもピンクを!」

悔しげに言った後、

「…恥じらいキック!」

「どどめパンチ!」

「乙女スプレー!」

ここぞとばかりに必殺技を繰り出す乙女達。

はっきり云って集団リンチだ。

見てても、良い子はマネしないでね、と祈っておく。


魔神は見るも無残にボロ雑巾のようになっていた。