俺が恥ずかしさに懊悩しているうちに、メガネを装着した乙女達は揃って変身する。
照明が落ちる。
次に照明がついた時には、みんな戦闘のコスチュームに変わっていた。
種明かしをすれば、最初から制服の下にコスチュームを着ていて、制服は簡単に脱げるような造りになっていた。
「――月影に紛れて悪を駆逐する!」
思い思いに決めポーズを作っているが、てんでバラバラだ。
「「乙女戦隊月影、参上!!!」」
そのセリフだけがちゃんと噛み合った。
並んだ戦士の中で
ブラック(※注:アカツキ)だけが一歩前へと出る。
ビシッと魔神を指差し、高らかと叫んだ。
「――覚悟しやがれ!クソヤロー!」
「・・・・・」
…まぁ
確かに糞野郎だけどね。
しかし一本気で真面目で正義感が強い生徒会長という設定のブラックにあるまじき暴言だ。
原作者には手を合わせてお詫び申し上げたい。
「フンだからと言って、ナメんなよ!」
魔神は戦士達に言い返した。
「我が力を見せてやろう!」
そう云うと、魔神はスッと上を指差した。
「鹿のフン霰(アラレ)!!」
――ドドドドッ…
「きゃぁぁ!!」
マジで何かが降ってきやがった。
戦士たちも痛そうに頭上をかばう。
よく見ると、降ってきたのはこれまたリアルな鹿のフンだった。
ステージ上に大量に降りそそぐ。
こんな余計なところだけを凝って、何がしたいんだろうか。
しかもどうなってんだ?この舞台装置?!

