Fortunate Link―ツキの守り手―



午後16時25分。

舞台表にて。


「みんなぁ、こんにちわ~!!」

「「「こんにちわぁ!!」」」

ノリの良い観客達が挨拶を返してくれる。

「今日は劇場版乙女戦隊月影公開記念イベントショーを見に来てくれてありがとー♪」

ステージ上で、制服姿の女子高生がハイテンションに場を盛り上げていた。

「ところで、みんな。
お姉ちゃんの名前、分かるかなぁ?」

「「「蘭花ちゃ~ん♪」」」

ノリ良く答えてくれる。

「ありがとう~♪蘭花でーす☆」

司会をしている彼女はヒーローショーっぽく被り物をかぶっている訳でもなく、多少メイクをしているだけなのに、その格好と髪型だけで「乙女戦隊月影」の中に出てくる黒谷蘭花(クロタニランカ)という少女になりきっていた。

美人って得だよな。

ちなみに黒谷蘭花ちゃんとは、TVの実写版「乙女戦隊月影」に於いていつも予告の後の最後の最後、各話を振り返る「月影通信」の時だけに出てくる謎の女子高生だった。

「先日公開されたばかりの劇場版のほうをもう見てくれたって人はどれぐらい居るかなぁ?」

「「「はーい!!」」」

「おっ、結構居るねぇ!ありがとうね!」

ちっちゃい子供達だけではなく、妙なテンションのおじさん達までノッていた。

やはりそういう層も標的(ターゲット)にしているのか…。

舞台袖で控えながら、俺は予想以上に多い客に引いていた。

子供達は家に帰ってアニメでも見ててくれ、と思う。