ステージ脇に併設されている控え室兼更衣室内。
「…狭っくるしいな」
アカツキが苛立たしげにぼやいている。
確かにその通りだ。
おまけにごちゃごちゃと舞台道具が置いてあったり…。
俺は何だか手持ち無沙汰。
裏方の仕事でもすればいいのだろうかと、思案していたところ、
「お前は半月ソルジャーな」
そう言って、いきなりアカツキがピッタピタのコスチュームを渡してきた。
「…はぁ?」
顔を引き攣らせ、突きつけられたソレを見る。
「大丈夫だ。ちゃんと話も付けてきてやった」
何だかめちゃくちゃ恩着せがましく言ってくるが…、全然ありがたくない。
「おいっ。
何勝手なことしてくれちゃってんの?!」
「勝手な事って…最もラクな仕事だぞ?
セリフも少ないし、お前に適役だ」
どこが適役だ、と奴に掴みかかりたくなった。
半月ソルジャーとは、言わば乙女戦隊月影の補佐役の人物。
おっさんで、しかもヤラレキャラで、ちょっと変態で、いつも恥ずかしいコスチュームを着ている。
その衣装が今俺が手に持っているコレ。
こんなもん着て、公衆の面前で派手にヤラレ役をしろだなんて。
何と言うか…人としての尊厳がおびやかされそうだ。

