「前にも言ったろ。こいつは私のもんだ」
「あなたのもの…って。シュンは物じゃないわ」
その意見には同感だが……。
それよりも何よりもまず…、腕と首を引っ張るのをやめて頂きたい。
…というか、このやり取りと引っ張り合い、以前のいつぞやと激しくデジャブを感じるんですが…。
(…ぐるじぃ)
俺の口からエクトプラズム的な何かが出掛かっていたが、二人は構わずしばし睨み合ったまま。
そして魂が離脱する寸前にやっと、勝負が決まった。
緊張感漂う冷戦を制したのはアカツキだった。
やはりあの強力な眼力にかなう奴はいないらしい。
俺なら数秒でギブだ。
そのうち、眼力だけで飛んでいるハエとか仕留めるんじゃなかろうか。
そうして、白石さんが敗北してしまったので、俺達二人は自動的にアカツキの命令下に置かれた。
そのイベントショーなるものはデパートの一階真ん中の催し物会場のステージで行われるらしい。
「私の友達が出演しているんだけど、急遽人員が足りなくなったらしくて手伝って欲しいって言われて」
「あと、グリーンとブラックと半月ソルジャーの役が足りないらしくて…。それでツッキーに白羽の矢が立ったんです」
妹分AとBが事情を説明してくれる。
「ツッキーならブラックの役にピッタリだよね♪」
「そうそう!強くて頼もしい感じが!」
きゃいきゃい嬉しそうに言う。
しかし、俺は「そうか?」と疑問に思った。
正直、「強い」というところしか当てはまってない気がする。
『月影』中のブラックこと九鬼真弓(クキマユミ)は、生徒会長であり正義感が人一倍強く真面目な人物だ。
金髪で極悪な目つきのアカツキと全然イメージが合わない。

