それから上映が始まるまで少しばかり時間が有ったので、白石さんは「乙女戦隊月影」が如何なるものでどんなお話であるか、大まかに説明してくれた。
…って本当は全部知ってるんだけどね。
むしろ俺のほうが詳しいのかもしれん。
乙女戦隊月影とはレッド、ブルー、ブラック、グリーン、どどめ色、ピンクの6人の美少女からなる戦隊。
月から力を貰い、眼鏡を装着して変身をする。
美少女眼鏡っ娘戦隊だ。
それだけでも十分にそそられる。
「私はどどめ色が好きなの」
弾んだ声で言う。
うむ。確かに少し似ているかもしれないな。
ちょっと色々過激なところが…。
ちなみに俺が好きなのはレッドだ。
遅刻魔で、落第寸前で、成績が悪くて、恥じらうところがいい。
あと携帯の通話料を払ってないところとか…。
あれ?褒めてるつもりが駄目なところばかりあげてるな。
…って
「………」
後ろを振り返った。
「どうしたの?」
「…いや。何も無い」
誰かに見られてた気がしたんだけどな。
以前にも同じような事があったが、その時の犯人は今隣に居る。
…まぁいいや。
今はアカツキも居ないわけだし。
気にする必要も無い。
上映開始のブザーが鳴る。
照明が全て落ちた。
俺は映画鑑賞に集中する事にした。

