Fortunate Link―ツキの守り手―



「ふふっ」と漏れる息を間近で聞いた。

ぐいっと腕が思いっきり引っ張られる。
よろけて転びそうになるのを何とかこらえた。

おい、こら。
エスコートすんのは男って言ってなかったか?

先へと歩を進めた彼女がくるっと一瞬俺のほうを振り返った。


「行こっ、シュン」

その笑顔は頭上に広がる青空よりも晴れやかで、裏の無い天真爛漫な女の子にしか見えなかった。


そして傍から見ればまるっきりカップルにしかみえない状態で歩きながら、駅前のデパートへと入って行った。

映画館はデパートの最上階の6階にあった。

エレベーターから降りて、薄暗い空間に踏み入れる。


「何見る?」

白石さんは上映中の映画と時間が載った電光掲示板を見ながら訊いてきた。

いい加減に絡めている腕を外して欲しい、と思う。


しかし彼女はお構いなく「うーん」と掲示板を見入っている。

「私、月影見たいな」

「え?」

言われて目の前の画面を見てみる。

劇場版・乙女戦隊月影
【さよなら、友よ!ダブルブラック共闘!】

先日公開されたばかりで、1日4回上映されているらしい。

あと30分で2回目の上映が始まる。