日曜日。


今日は何の因果か、小悪魔系腹黒女子、もとい白石さんとデートをしなきゃならない日だった。

なぜそんなことになったか話し始めたら長くなるが、要するに俺が彼女の掌の上で転がされたという、一言に尽きる。

発端は、客船クルーズで俺が彼女に一つお願いを聞いて貰ったことにあり、その代わり俺が彼女の言うことをなんでも一つきくことになり、それというのがデートだった。

いやいやいくらなんでもいきなりデートは…と俺が渋ると、彼女は一つの条件を提示してきた。

俺が同好会同士のドッチボール対決に参加し、俺が参加したチームが勝てば、デートというのをチャラにしてくれると言ってきたので、俺はそれに乗った。

が、結果は惨憺たるもので見事に派手に負けを喫し、今に至る訳である。


「……はぁ……」


深く溜め息を吐く。

澄んだ青空に、遮るものなく真っ直ぐ届く日差し。
からりと気持ちの良いほどの晴天に恵まれてしまった。

鬱な気持ちでその青すぎる空を見上げる。
いっそ大雪か雹でも降ってくれれば良かったのに、と無茶な事を願ってたんだけどな。


それならば約束をほっぽかせば良かったのかもしれないが、それは出来なかった。

腹黒であれど相手は女子。

女の子を待たせっぱなしで放置なんて、やっぱり男としてやっちゃいかんだろ。


待ち合わせ場所に来ると、既に相手はそこにいた。