「なんや、バレとったか…」
蓮と呼ばれた関西弁の男は、あっさり認めた。
「でも、セイラちゃんに気にして貰えて嬉しいわー」
「気にしてなくても分かるわよ。
その派手な頭が目立たないとでも思ってんの?」
呆れた声で言う星羅。
それでも蓮は飄々と笑う。
「セイラちゃんはドレス似合うてたで。
俺としてはもうちょい大胆な方が好みやけどな」
「はぐらかさないで。
あそこに居た理由は何?」
「んー。まぁ、たまには優雅な休日を、と思って」
「シュンと月村さんに会ったの?」
蓮の言葉を無視して、星羅は問う。
「あー…。
そういえばあんたの親父さんと話してた時、部屋の隅に大きい鼠が隠れとったな」
蓮は何かを思い出したように笑った。
「……やっぱりあの二人のことが気になるん?」
星羅の方に目をやり、面白そうに問いかける。
「当たり前でしょう」
星羅は否定せずに頷いた。
「月村明月のあの強運は普通じゃないわ…。
彼女は一体何者なの?」

