Fortunate Link―ツキの守り手―



「……あ…」

嫌なことを思い出し、頭を押さえた。

無意識に記憶から排除しようとしていた一件だ。


「……いや、ちょっと待て。あれは…違」

「…まさか…初めてじゃないのか!てめぇ!」

言いかけてる途中で、くわっと目を見開いて問い返してきた。

俺は反射的にぶんぶんと首と手を同時に横に振った。

「いやいや!そりゃもちろん初めてに決まってんだろ!ファーストタイム!うばぶっ!!」

気付けば、アイアンクローで再びベッドに沈められていた。

「ざけんな!馬鹿!クズ!死ね!」

「バカ!クズ!シネ!バーカ!」

アカツキも九官鳥も同じ罵声を俺に浴びせてきた。


結局、アカツキがなぜ怒っていたのかは分からないままだった。