Fortunate Link―ツキの守り手―



「……しかし、急にどうしたんだよ?
誕生日にプレゼントなんて初めて、だよな?」

「…悪いかよ?」

アカツキはなぜか頬を少し赤くして、そっぽを向く。

さっきからなぜかあまり目を合わそうとしてくれない。

「……いや」

そう言いながら、頬をポリポリと掻く。

何だろう、この気持ちは……。

「……その……ありがとう」

自然とお礼が口から出た。

なぜだろう。
たとえそれが何だろうとアカツキが選んでくれたのかと思うと、嬉しく思ってしまうのは…。

「ふん」

アカツキは鼻を鳴らした。

底抜けに機嫌が悪いのかと思えば、こうして初めての誕生日プレゼントをくれたり、今日のアカツキはかなり変な気がする。


「……それはそうと、お前…」

アカツキは眉間に皺をよせ、あらぬ方向を向いたまま呟いた。

「昼間に教室で白石にされてたあれ、まさか初めて…だったってことないだろうな?」

「……え?……あれ、って?」

「…あれと言えばあれだよ!」

ヤケ気味に言ってくる。

俺は首を捻り、考えた。
が、ボールを頭にぶつけられたせいか、ドッチボール以前のことが思い出せない。

「……いや、すまん。
…あれとは何のことだかさっぱり分からんのだが…」

そう答えると、アカツキが「うぬぬ」と言いあぐねた挙句、物凄い形相で俺を睨み、意を決したように叫んだ。


「…キスだよ!キス!
昼間に思いっきりされてたろうが!!」