俺はきょとんとアカツキの横顔を見た。
ま、まさか…。
「……まさかとは思うが、俺への誕生日プレゼント……?」
「べ、別に…まったくそんなつもりは微塵もなかったが、たまたま部活帰りに寄った店で、たまたま思いついて買ってみただけだ…」
めいっぱい否定するアカツキを横目にしながら、俺は感慨深くその贈り物を眺めた。
幼馴染から誕生日プレゼントを貰うなんて、16年生きてきた人生の中で初めての出来事である。
そして初めての出来事だけに警戒してしまう。
(……この箱を開けたら、大洪水が起こるとか、一気に老けるとか、そんなこと起こらないよな?大丈夫だよな?)
「――ぼさっとしてねぇで、さっさと開けろよ」
アカツキに急かされてしまった。
非常に珍しいこととはいえ、これは紛れもなくプレゼント。
アカツキが何を選んでくれたのかは、物凄く興味がある。
包みを解き、箱を開ける。
「……おっ」
それは半透明の緑の石が四つ埋め込まれた、四つ葉のクローバーのキーホルダーだった。
そして、それはどこかで見たことのあるものだった。
「これ、お前が鞄に付けてるやつじゃん」
「馬鹿言うな。色、形ともにまったく違うものだ」
嘘つけ、と思った。
色、形ともにまったく同じじゃねーか。
「……お揃いか?」
「だから違ぇっつってんだろ!」
これ以上からかうと殴り飛ばされそうだったので、やめておいた。

