「お前も飲む?」
「…いや、いい」
アカツキは「あ、そう」と云い、プシュッとプルトップを開け、そのコーラに口をつけた。
「そういえばお前」
何かを思い出すように視線を遠くにやりながら
「中学ん時剣道部だったよな?」
「…そうだけど」
「しかも確か、それなりに強かった…」
「…まぁな」
満更でもない気持ちで頷く。
「何で高校になってやめた?」
それには責めるような響きがあった。
…一体何だって云うんだ。
「俺だって色々忙しいんだよ」
「嘘付け」
そう一蹴しやがった。
「お前は万年ヒマヒマ星人だ。顔にそういう相が出ている」
…すごい云われようだ。
「うっせぇな」
ここは反論せずにはいられない。
「お前は俺を存続危うい男子剣道部に入れたいだけだろ?」
「……まぁ、そうだが」
否定せずに正直な所がいかにも彼女らしい。
しかし今の俺にはその言葉を素直に受け入れるだけの心の余裕が無かった。
昨日からの苛立ちがまた沸々と湧き上がっていた。

