俺は思わず白石さんを睨んだ。
「…なぜそっとしておかなかった?なぜ事をややこしくした?」
「ややこしくしたつもりはないわ。面白くしただけよ」
それが同義だと言うことをこの人は分からないんだろうか…。
「じゃあなんでドッチボールなんだよ」
普通にじゃんけんでいいだろ。そんなもん。
「その方が燃えるでしょ?」
小悪魔な笑みを浮かべて答える。
「ボールを3つ使った変則ルールなの。
互いにぶつけ合って潰し合うのよ。うふふふ。燃えるわ~」
恍惚の表情を浮かべている。
何てサディスティックな思考してんだ。危険すぎる。
「勝手にやってくれ」
「何言ってんの。シュンにも助っ人として入って貰うわよ」
「だからなんでだ!ドッジボールなら人数が多かれ少なかれどうだっていいだろ」
というか正直、ボール3つが飛び交うドッジボールなんぞに参加したくない。
「駄目なの。
片方のチームは強力な助っ人呼んでるから、それに対抗できるもう片方の助っ人が欲しいの!」
白石さんは強調して答えてくる。
「誰だよ、その強力な助っ人って…」
「ほら、あそこに」
白石さんが指差す。
その先には――。
腕を組んで仁王立ちし、こちらを睨み据えている金髪ヤンキー(見た目)の幼馴染が…。
それを確認した俺はぎこちなく白石さんを振り返った。
「……マジですか」
「マジですよ」
白石さんは事もなげに答えた。

