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「いやー。
やっぱりちゃんと来てくれたね。
シュンはそういう人だと信じてたよ。うん」
放課後。
グラウンドで俺を出迎えた白石さんはとても良い笑顔でそう言った。
今はその笑顔に憎悪さえ覚えた。
「……無視したら、あの血文字が夢に出てきそうだったんでな…」
俺はげっそりしながら答えた。
そしてジト目で白石さんを睨む。
「……というか何を企んでいる?」
「企んでいるなんて人聞きの悪い。
私はただ、シュンへの貸しをチャラにしてあげてもいいかなぁなんてとても善良なことを考えていたのに」
「その考えのどこが善良なのか、いっぺんお釈迦様の前で説いてみろこら」
大体、すぐに貸しだの借りだの利子だの言ってきて、やり口が悪徳すぎる。
「まあ聞きなさいってば。
今からここで同好会同士の勝負が始まるんだけどさ。シュンにはそれに参加して欲しいの。
で、シュンが入ったチームが勝てば、昨日の貸しはなかったことにしてあげる」
「……はん。
だーれがそんな勝負に参加するか」
鼻で笑って一蹴してやる。
「…じゃあ、私とデートしてくれる?」
白石さんはすかさずそう畳みかけてきた。

