Fortunate Link―ツキの守り手―



「……え?」

あらゆる意味で想定外の単語が出てきて、俺は戸惑った。

「ね。これなら割と返しやすい方なんじゃない?」

「…な、何言ってるのか分かってんのか?」

その平然とした態度に、思わず訊き返さずに居られなかった。

「これでも安いほうだと思うけど?
利子は抜いてるつもりだし」

「利子て何…」

言いかけたその口は、近づいてきた彼女の口によって塞がれた。

一瞬、時間が止まった。


教室内がどよめく。

俺は固まる。

目の前いっぱいに白石さんの顔。

彼女は目を瞑っている。

こっちはそんな心の準備も余裕も無いから、目を見開いたまんま。

甘い香りと唇に柔らかな感触。

い、息が出来ない…。

恥ずかしながらこういう経験は初めてなので、勝手が分からない。

…うへ~!舌まで入れてきた。
魂までも吸い取るつもりか。


随分と長い時間の後(俺はそう感じた)、白石さんは顔を離した。

俺の頭の中は地震とハリケーンと隕石衝突とあらゆる天変地異が同時に襲ってきた感じでぐちゃぐちゃだ。


「…なななな何すんだ?!!」

言葉すらままならない。

心臓が胸を突き破りそうなぐらいに跳ねている。

一方の白石さんはといったら平然と涼しい顔だ。

「これで利子は完済ということにしてあ・げ・る♪」

ウインクして見せながら俺にそう告げた。