「はい。
これでそのバナナとシュンのおうちにある分も全部買い取るわ」
「いやいやちょっと待て!」
「え?これじゃ足りない?」
「んなわけあるか!」
この人の金銭感覚、一体どうなってんの?!
「ともかくそんな大金は受け取れないんで」
「じゃあこれぐらいならいいでしょう?」
白石さんは持っている札束を半分ほど減らし、俺に差し出してきた。
「だから額の問題じゃなく…」
「はい、交渉成立♪」
白石さんは俺の手を掴み、それを無理やり握らせてきた。
「あ、こらっ」
「もう受け取っちゃったということで、返品は不可だからね」
小悪魔的な笑みを浮かべて言う白石さん。
何これ。悪徳政治家の選挙活動か。
「これでシュンへの貸しは増えたということで」
「……貸し?!」
「そ。昨日、私がシュンの言うことを聞いてあげたという分もあわせて」
「………」
俺は一瞬耳を疑った。
そして注意深く白石さんを見た。
「白石さん」
「……うん?」
「もしかして昨日のこと覚えてる?
あの爆弾騒ぎ含め」
「………」
白石さんは答えずに微笑むばかりだった。
「昨日はそんなの知らない、て言ってたけどあれは嘘だったのか? 」
すると白石さんは 「ふふ」と笑いを漏らした。
「シュンはもっと人を疑うことを覚えるべきね。…月村さんみたいに」

