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「はぁ…」
最近、溜息をつく回数が増えた気がする。
…大丈夫か?俺。急に老けたりしてない?
まぁ、それはさておき。
今は放課後。
俺は、いつものようにアカツキを見守る為に武道館脇で待機中。
母さんに渡された木刀の入った袋を肩に提げて。
その重みをやたらずしりと背中に感じる。
恐らくは気分的要因も大いにあるのだろうけど。
「はぁ…」
昨日はあんな事を言ったものの、放課後の日課はすっかり体に染み付いていて取れるものではなかった。
…なのに、あの母親といったら、
『シュンがお役目放棄するって言うなら、代わりの人なら居るから』
抜け抜けとそう言いやがった。
俺の代わりならいくらでもいる、ということか。
…うぁ。思い出しただけで苛々してくる。
「おっ、シュン。
こんな所で何してんだ?」
突然のその聞き慣れた声に、俺はぎくりと肩を跳ね上がらせた。

