その後は柊哉くんが美里ちゃんを呼んでくれ、彼女の肩を借りてテントまで戻った
私の代わりを努めてくれたクラスメイトにお礼を言うと、体調を心配された


どうやら私は調子が悪くなって休んだことになっているらしかった
ことが重大になってなさそうで安心する


出る競技もないから後は応援するだけだったんだけど、美里ちゃんは私の変化に気づいたみたい


「侑里なんだか上の空じゃない?」

「そうかな?」


誤魔化せたと思うけど、実際は彼女が指摘した通り考えていたのは別のこと
さっきの告白、柊哉くんのこと


体育祭が終わっても、下校した後だってずっと頭から離れなくてどうすればいいのかわからない


──ピリリリリ

電話がなって表示を見ると、智哉先輩


「もしもし、智哉先輩?」

「桜、こんばんは。今大丈夫か?」

「こんばんは。大丈夫です」


形式的なやり取りの後、しばらく間が空いて先輩が話し始める