指示通り下がっていると、ほどなくして扉は開いた


「桜先輩!」


私の姿をとらえると駆け寄ってきて無事を確認するように抱きついてきた


「俺、先輩がいなくて焦りました」

「大丈夫だよ」


心配してくれてた彼に大丈夫だと伝えるために、ほらこんなに元気だよ?とターンをして見せた


「先輩、怪我してるじゃないですか」


回ったのは良かったんだけど軸足にしたら負荷がかかるからと、怪我した足を少し浮かせてターンしたのも悪かったみたい


足をつけたとき痛みを感じてしまった
それに気づいた柊哉くんは素早くしゃがむと私に背を向ける


「えっと??」

「おぶります。それともお姫様だっこの方がいいですか?」

「おんぶでお願いします」


彼の背中に失礼しますと体重を預ける
その背中は広くてなんだか安心した