埃っぽい倉庫内に1人取り残される
何分経ったのかわからないけど、午後の競技がスタートしたらしいアナウンスは聞こえてきた
さっきの信号機カラーの先輩方は智哉先輩と柊哉くんが好きだったんだろう
みんなに心配をかけてないか不安になる
特に美里ちゃんは仕事を放り出して私を探すって言ってるかもしれない
代わりに出場してくれた子には後でお礼をしなくちゃ
とにかく何か考えていないと耐えられそうにない
こんなことなら卵焼き食べてたらよかったなとか、美里ちゃんに柊哉くん智哉先輩は今何をしてるだろうとか
周りを見渡しても窓なんてなくておとなしくここに1人で助けを待つしか方法がないみたい
どれくらい待っただろうか
誰かの足音が聞こえた気がして、扉を叩いて助けを求める
「すみませーん!助けてください!!」
どんどん叩きながら声を出す
「桜先輩、今開けるので離れていた下さい」
聞こえた声は柊哉くんだった
私を心配してくれそうな3人の声を他の誰かと聞き間違うはずかない



