「智哉も柊哉くんも私たちのものなの。手を出さないでくれる？」

「目障りなのよ！」


今度は緑の先輩と黄色の先輩
彼女たちの言葉を頭の中で反芻する
納得いかない。これだけは言わなきゃ


「柊哉くんも智哉先輩も先輩たちのものじゃないんです。彼らは彼ら自身のものなんです。だからそんなこと言わないで下さい。」


そう願ったけど逆効果だったようで、赤い先輩に頬を叩かれた
ジンと熱を帯び、ヒリヒリと痛い


「なんであんたなんかがそばにいるのよ！マネージャーでもないのに出入りして不愉快ったらありゃしないわ！！部員とマネージャーの恋は禁止だから入らなかったのに！なのにあんたはっ！！！」


途中から涙を浮かべた先輩を慰めるように背中を撫でる2人の先輩
私をキッと睨むと、『そこで反省なさい』と外へ出ていった


「待ってください！」


私の声など聞こえていないように進んだ先輩たちはと倉庫の扉を閉めるとカチャリと鍵をかけたみたい


その音に余計に慌てた私
出場しないといけない競技がこのあとあるのに......
スマホだって持ってきてないから助けを求めることができない