貴族社会のファンタジー小説では読んだことがあった。
けれど、現代でも婚約破棄を言いわたされるってことがあるんだ...


昔読んだ物語を思い出し失笑する祈梨


食事がのどを通らない気がして目の前に広げてあるお弁当は手付かず。
今食べ始めたところで動揺で箸か具材を落とす気しかしない。
かといって席を立てることもできない


「この後どうしよう...」


(ポツリとこぼした声は教室のざわめきにかきけされる)


「藁谷さん、弁当持参って先生からの伝言。
遅れる前に早く行きなよ。あとこれ。」


先生に呼ばれた記憶なんてなくて、
一体どういうことなんだろうと渡された付箋のメモをみてみる


『放送室に集合』



体育館や職員室から放送をかけることが多い
だから放送室は存在してるだけで誰も使ってないはず


よくわからないけど、この教室に今はいたくない
弁当のふたを閉めて袋に入れる
と早足に教室を後にした