ーーーザザーン………


ーーーー海。

要君と…ー流れ星を見た海。
要君が涙を流した海。
要君が弱音を吐いた海ー…。

私達を包み込んでいくようにー…
二人を結びつけた海ー…。

「懐かしいー…」

ぼーっとしていた頭は
波の音で我にかえらされる。

夕焼けは絶景と言ってもおかしくないほど、
見事に海に映っている。

ーーーーザザーン………

私は靴を脱いで、
スカートをたくしあげて波に足をつけた。

前とー…変わらない太陽。
波。空。雲。砂浜。

何一つ変わっていなのにー…
時間だけがドンドン過ぎ去っていく。

私だけを置き去りにするようにー…。

私は遠くの太陽をただ、見つめる。

「…………くん………」

太陽も私を置き去りにするようにー…
静かに沈んでいく。

「要君ー…っ」

うっすらと涙が頬を通る。

私ー…また泣いちゃったよ。