「あの人、知り合い?」


しまった、というのは顔には出さない。

聞かれていた。どうして濡れているのか、と聞くような関係、お昼食べたかと聞くような関係………、まずい。

何も言えないでいると、白浜さんは躊躇なく言った。


「じゃー、彼氏?」

「違います。」

「一緒に住んでるみたいな口調だったね。」


その通りで嘘は言えない。でも本当に、彼氏とか彼氏とか彼氏とか…、そんな恋人ではないのだ。

なら、同居なんて許されること?いや私はただの居候者で私はただの手伝い人で…


「東條さん?」

「…」

「東條さーん?」

「あ、いや違います、恋人で」


は?何言ってんだ私?え、え?勢いで恋人とか言ってしまった。ミスった、完全に間違えた…


「恋人!?へー年の差だよね?いいねぇー」


白浜さんがまたニヤリと笑う。今、恋人同士の思われていることがいけないことすぎる。


「間違えました、違います。」

「…ん、間違えた?あわかった!ってことは、今あの人に片思い中ってこと?あの人タイプかぁ。俺の大学でもそんな女子いるよ。髪型金髪似合うよねーかっこいいよねぇー。やっぱ顔なのかなぁー」


次々に話が進んでいって何も言えなくなる。どうしよう…

私とあの人の関係って何なんだろうな。