風音ちゃんも、わたしがあんまり話にのってこないから、ちょっと不思議そうにしてる。
「咲桜はあれから梵木くんと話したの?」
「は、話したというか、話してないというか……」
「それどっち?」
や、やっぱり風音ちゃんには言っちゃおうかな。
「か、風音ちゃん。梵木くんってじつは――」
「咲桜せんぱーい」
ん?
いま廊下のほうから誰かに呼ばれた?
しかも“咲桜先輩”って?
それに今の声どこかで聞き覚えがあるような。
「あっ、こっち向いてくれましたね」
っ!? な、なんで梵木くんがここに!?
しかもこのタイミングで!?
ってか、普通に教室の中に入ってきてるし!
「僕が呼んだのに無視するなんて冷たいですね」
営業スマイルがまぶしすぎる……。

