「咲桜先輩だから触れたい。これじゃダメ?」
ずるい、ずるいよ柚和くん。
わたしが引こうとすれば、もっと甘い言葉で引くのを許してくれない。
頭の中でいろんなことがグルグルして、もうパンク寸前。
――なんて状況で、まさかの出来事が。
開くと思ってなかった扉が、ガチャッと音を立てた。
一瞬何が起きたのか理解が追いつかず。
けど、扉の前に立ってる人を見てこれでもかってくらい驚いた。
「うぇ……ゆ、柚和くんがもう、ひとり……」
スラッとしたスタイル抜群の男の人が立っていた。
パッと見た感じ、わたしより年上のような大人な感じの雰囲気があって。
何よりびっくりしてるのは。
「あぁ、ごめんね。邪魔しちゃったかな。俺は荷物を取りに来ただけだから」

