「嫌なら本気で振りほどけば」
「っ……」
そうやって言うくせに。
ぜったい逃がさないように、指を絡めてキュッと握ってくるの。
柚和くんはこういうところがずるい。
相手に主導権を渡してるように見せて、甘く誘導して引き込んで。
結局ぜんぶ柚和くんの思い通りになるんだから。
「に、逃げない……から」
やんわり手を離そうとしても、わずかな力でグッと引っ張られちゃう。
「じゃあ、このまま一緒に帰るってことで。先輩の家まで送るんで」
「うぇ……?」
「俺がまだ先輩と一緒にいたいから」
「っ……」
ほらまたそうやって、巧みに言葉を操って。
柚和くんの言葉ひとつに、簡単に踊らされてる気がする。
……で、結局柚和くんと帰ることに。

