「わわっ、電車に乗り遅れちゃう!」


わたし那花咲桜、高校2年生。


さっきまで遊んでいた友達と別れてから、ダッシュで改札を通ってホームへ。


なんとかギリギリ電車に乗れたのはいいけど。


うっ……人すごい。

休みの日なのもあって、電車内は激混みでおしくらまんじゅう状態。


走ったせいで息は乱れてるし、少し熱い。


今は5月だけど、全力で走ったら汗もかくよね。


こんなことになるなら、おとなしく次の電車まで待てばよかった。

……なんていま後悔してもしょうがない。


そのまま電車に揺られて3駅通過。


そしてわたしが降りる駅のアナウンスが聞こえて、降りる準備をしようとしたら事件は起きた。


ん? あれ?

なんか動こうとすると髪が痛い。