わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと



穂乃は楽しかったのにな、やっぱり何か失礼なことしたかな、受験態勢に入ってたし、付き合うことなんて出来ないよね……



穂乃が下を向いていると目の前にネックレスが見えた。



先輩が後ろから着けてくれた。


「えっ、これ……」



「僕からのクリスマスプレゼント」




俊之は席に座った。



「穂乃ちゃん、僕と付き合って下さい」



穂乃は涙が出てきた。





「は……い、お願いします、もう終わりかと思ってました……」




「よかった、僕のほうこそ振られちゃうかと思ってドキドキしたよ、これからはたくさんデートしようね」



「はい」



穂乃は笑った。



「もう、僕には敬語使わなくていいよ、その代わり他の人には気をつけること」



穂乃は涙を拭きながら頷いた。




「じゃあコンタクトにしようかな」



先輩はメガネを外した。




「見えるの?」



「うん、今日入れてきた(笑)メガネは伊達メガネだったんだ、ちょっとまだ慣れない」



「格好いいです(笑)」



「出ようか、書店に行きたいんだ、文具と参考書とか見たい」



「はい」



店の外に出ると二人は手を繋いで書店に向かった。


「いつも自分の事を穂乃って言うだろ?」


「はい」


「さっき、私って言ったよね?ちゃんとしたとこでは自分の事名前で言っちゃだめだよ、よくできました」


頭をポンポンとなでてくれた。


「はい」


「でも、僕は結構可愛いと思ってるからずっと注意はしなかったんだ、ちゃんと使い分けできるよね?」


「はい」


じゃあと先輩は手をぎゅっと握ってくれた。


「穂乃ちゃん、これからもよろしくね」


「先輩……」


「名前で……」


「俊くん?……恥ずかしい……あの……」


「ん?」


「ちゃんと好き……だよ」


「はぁ……可愛いんだから、僕もだよ、ちゅっ」


俊くんはおでこに軽くキスをくれた。


「これからはたくさんデートしようね」


「うん!」




END