「先輩みたいに食べれるもの聞いてくれると助かります、私わがままばっかり言ってたからデートしていつも振られちゃうんです」
「多分わがままというより言い方だと思うよ、苦手なものは誰でも少なからずあると思うし穂乃ちゃんの態度とかじゃないかな?
穂乃ちゃんの為にデートのプランを立てているかもしれないだろ?
それを最初のデートで否定されたら男はショックだよ」
「そうかも……です、食べれないものとか言えば良かったんですね、結構偏食で……」
注文を店員がとりにきた。
穂乃ちゃん、先にどうぞと先輩が言ってくれた。
「カルボナーラで」
「僕はミートソース」
パスタが運ばれてきて二人は食べ始める。
「美味しいです(笑)」
「アレルギーとかはない?」
「ないんですけど、食感で何か嫌って思ってしまうことがあって、直したいんですけど」
「まあ、徐々にでいいよ」
「あの……クリスマスと部活お疲れ様ってことでプレゼント用意したんです」
受験とクリスマス演奏会に時間をとられて一緒にクリスマスは過ごせなかった。
その演奏会で3年生は吹奏楽部を引退したのだ。
穂乃は先輩に渡した。
「ありがとう、開けていい?」
プレゼントを開けると手袋が入っていた。
「使わせてもらうよ」
先輩はプレゼントをバックにしまう。
先輩の趣味じゃなかったかな?
「僕ね三ヶ月近く穂乃ちゃんと話してて楽しかったよ、ありがとうね」
えっ?
「それはもう終わりってことですか?」
「そうだね……」
穂乃は下を向いた。
「もうそろそろ仮の付き合いはやめないとね」
「私、駄目でしたか?」
穂乃は下を向いた。
「ちょっと待ってて」
俊之は席を立った。



