12月28日、穂乃は駅で待っていた。
「内谷?どうしたんだ」
「和翔、帰ったの?」
男子バスケ部は全国大会に行っていたのだ。
「うん、さっきバスで学校に戻ってきたよ」
「莉乃は?学校までいかなかったの?」
「うん年末近いし渋滞だったら時間読めないから、家で待ってもらってる、誰か待ってるのか?」
「あっ、うん、先輩を待ってる」
「ああ、例の?」
「あっ、同じ電車だったんだ、後ろ」
先輩が歩いてきた。
「こんにちは」
和翔から声をかける。
「こんにちは、この声は莉乃ちゃんの彼氏さんだね」
和翔と体育祭で会った時はメガネが壊れていたから顔を見ていないのだ。
「はい、よく声だけでわかりますね、じゃあ俺は失礼します」
和翔は帰っていった。
よかった、穂乃ちゃんが軟派されてるのかと思った。
穂乃と次の電車に乗って街に出る。
「どこか行きたいところある?」
「いえ、特には」
「じゃあ映画でも見てから食事に行こうか」
「はい」
久しぶりの先輩とのデート
学校近くではなく、先輩が来てくれて街デートに行こうと誘ってくれた。



