穂乃は走って正門に向かう。
初めての約束なのに、もう〜
「ハアハア、すみません、待ちましたよね?」
「そんなに走ってこなくてもよかったのに(笑)公園行こうか?」
「はい」
ベンチに二人は座り穂乃はタオルで汗を拭き、パタパタと手で顔をあおぐ
走ったから前髪が……
手で前髪を直していた。
「僕も遅くなる時はあるから決めておこうか、待ち合わせしてるときは一時間過ぎたら帰る、わかった?」
「はい」
「その後にちゃんとLINEを入れること」
「はい」
先輩と初めての放課後デートはお互いの事を話した。
穂乃は先輩が国立大学を受験する事を知り、お試しでなんてつきあってもいいんですか?と再度確認をした。
「うん、何かあれば頑張れるんだ」
最近塾の成績も停滞していて、リフレッシュできる事がないかなって考えてたと……
「あっ、別に穂乃ちゃんを利用するって思いは全然ないよ、お試しって僕が言っちゃったけど、メガネかけて穂乃ちゃんを見た時ドキッとしたのは事実……かな」
穂乃は嬉しくて隣に座っている先輩を見ると耳まで真っ赤になっていた。
「恥ず……いな」
「う、嬉しいです、穂乃もあの時偉そうに言っちゃいましたけど、イケメンて言葉にしたのはそう思ったからで……」
穂乃も真っ赤になった。
暗くなるまで話すと、先輩は駅まで送ってくれた。
「じゃあ、気をつけて」
「はい」
電車が来ると穂乃は手を振って乗り込んだ。
先輩の塾の時間をメモした。
この時間はLINEはしないっと
それからは先輩の予定と穂乃の予定のない時は先輩の部活が終わるのを待って公園で話したり、時にはコーヒーショップに行ったり、学校近くでデートを重ねた。



