しばらくスマホを見ているとポケットにしまった。


「仕方ないよ、今年は終わってからお祝いしようか」



「でも!」



「愛菜、合わせれる方が合わす…だろ?当日じゃなくてもお祝いはできるよ、それにこれからだって当日に祝える事は少なくなる」



「りっくん……」



いつも愛菜の誕生日は祝えてないんだからそれこそこっちがごめんだよと言ってくれた。




「頑張って!愛菜、応援してるから」



「ありがとう、頑張る」




りっくん、優しい……




7月に入った。



5日の金曜日に愛菜から予選突破の連絡が来た。




しかも順位は5位と好位置にいる。




理久斗は夕食の時に愛菜の試合を見に行きたいと家族に話した。




順位がどうなるにしても記念日の日曜日には開催場に行けば会えるのだ。




「日曜日の始発で行きたい、ダメかな?」




「いいんじゃない?もう大学生なんだし」




由依が言ってくれた。




「愛菜ちゃんの土曜日の順位によっては始発で行ってたら最初から見れないかもだよ、それなら土曜日の夜に出た方がいいんじゃないか?夏休み前だからホテルも取れるだろ」



「父さん、ありがとう、カプセルホテルとか探してみるよ」




「愛菜ちゃんがどれほど大変な事をしているか、一度見るのもいいと思うわ」


「母さん…」