「大丈夫?」
「大……丈夫」
「もうやめる?」
「え?」
「まだ終わりじゃないよ」
「あ……」
「しんどいならやめる」
「ちょっと待って欲しい……ごめん」
理久斗は愛菜にタオルをかけてあげる。
愛菜は座って頭を抱えていた。
「グスッ……りっくん、嫌いにならないで」
「嫌いになんかならないよ、大丈夫だから、信じて欲しい」
大丈夫、大丈夫とりっくんは背中をポンポンとしてくれた。
「このまま寝ようか、愛菜、抱いててあげるから……」
「……うん」
おやすみとおでこにキスをくれた。
理久斗の心臓のトクントクンという音が愛菜の心を落ち着かせた。
朝、愛菜の方が先に目覚めて理久斗の寝顔を見た。
可愛い……
愛菜は理久斗を起こさないようにゆっくりベッドから出た。
りっくんはよく寝るって言ってたからそっとしておこう。
下着を着けて服を着た。
どうしよう、走ってこようかな、昨日トレーニングしてないし…
一階に降りて愛菜は走りに出た。
学校近くのいつも帰りにりっくんと話している公園に来た。
ベンチに座って休んでいると凛華からお土産買ってくるねとLINEが入った。
もう出たのか、早いな…
愛菜は凛華に電話した。
「もう出たの?」
「うん、冬休みだし混んでると思って始発で向かってる」
「ふーん」
「どうしたの?何かあった?」
「何で?」
「なんとなく、声で元気ないから」
凛華……