夏の日の思い出

「とりあえずお化け屋敷の前に、ちょい腹ごしらえさせて。桃香の分も買ってくるから、ちょっとここで待ってな」


 そう言うと、橙哉はベンチから少し離れたところにあるキッチンカーの方へと駆けていった。

 たしかに、さっきからすっごくいいニオイが漂ってきてたんだよね。

 ホットドッグかな? ふふっ、ちょっと楽しみ。

「お化け屋敷入ったあとに食える気しねえからなあ」っていう橙哉のつぶやきが聞こえたことは、わたしの胸の中だけにしまっておいてあげるよ。


「橙哉、早かった、ね……」


 友だちからのLIMEに返信中、目の前に人の立つ気配がして、顔をあげたんだけど。

 ……誰、この人たち?


「どうしたの? ツレとケンカでもした? よかったら、俺らと一緒に遊ばね?」


 チャラい感じの男が二人。

 一人は、ひょろっと背が高く、明るい茶髪で軽薄そうな男。

 もう一人は、なにかスポーツでもやっているのか、よく日焼けしたガタイのいい白Tの男。