「えぇ、智輝(ともき)が戻ってこないって?」



シフト交代で控室兼荷物置きである隣の教室に移った私
ここにはは、さっきまでシフトが同じだった人たちがいる



もうすでに他クラス他学年の出し物へ行った人たちもいるから残っているのはほんの数人
律屋くんを筆頭にクラスの中心メンバー、そして私
男女比にして、3対3+1



「智輝メッセ気づいてなーい。既読ならないよー」



メンバーのなかのひとり、仁菜さんの声が響く



文化祭は楽しいから時間感覚がなくなるのも無理はない
誰にだってうっかりはある



陽葵(ひまり)さん、代わりに私できるよ」
「俺、智輝探してくるわ」



彼女は私にもよく話しかけてくれる女の子
だから少しでも助けになればと思って名乗りを上げた