復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

「五人ほど把握しました。明け方近くに二組に別れて領地に入って来たようです」

 大公領の祭りが派手なことは帝都でも有名だ。

 帝都から大公領に入る道は一本しかない。

 祭りを楽しむ観光客や興行師などを迎えるため、この時期は猟師や警備隊が一本道を守っている。

 と、同時に不審者には目を光らせているのだ。

「宿泊施設は把握済みですが、先ほど領地は出たようです」

 警備隊の話では、祭りで爆発物の騒ぎを起こそうとした男達がいたという。

 やはり帝都から男達で、彼らは布を扱う行商人として入ってきたらしい。荷物の中に花火に偽装した爆発物を隠し持っていた。

「彼らが手引きをしていた疑いもあったんですが、申し訳ありません。男達は牢で自決しました」

 服毒だという。

 毒を使うあたり、いかにもディートリヒらしいと苦笑した。

「まあいいさ。どうせ戻ってから失敗した責めを負わされるだろ」

「どういうつもりなのか。ここまで手荒なことはしなかったんですが」