復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~


 一度見ただけだから、確証はないが。

 急ぎペンを取る。

【このハンカチをゴーティエ公爵に見せて確認しろ。ルイーズ嬢かもしれない女性を見つけたと伝伝えるんだ】

 窓を開けハヤブサを呼び、脚に手紙とハンカチを括り付ける。

「さあ行け」

 勢いよく飛んでいくハヤブサを見えなくなるまで見届けた。

 タウンハウスにいる配下の者がすぐに手をうって、公爵と連絡が取れるのは早くて三日ぐらいか。

 さらに確認するには、もう少し情報が必要だ。ルルの足のサイズに、――。

 あれこれ考えていると、ドアがノックされると同時に、ピエールが飛び込んできた。

「大変です。閣下」

 お帰りと労う間もない。

 ピエールは珍しいほど慌てている。

「ルイーズ嬢が宮殿に戻ったという噂です」

「なんだって?」



 ピエールが帝都に入ったのは、近々アレクサンドが宮殿に行くと報告するためだった。