復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

 せめてこの手は、守り抜くと心に誓わざるを得ないほどに、アレクサンドの心は揺れた。



 花火は、烏城から打ち上げられる。

 城下から見上げる城は、青白い光を浴びて浮かび上がって見える。幻想的で美しい。

 夢中になって見上げていたルルの瞳は輝いていた。

 ルルの胸には小さなアメジストがついたネックレスがある。

 アレクサンドが街角の骨董品屋で見つけ、プレゼントしたものだ。

 古代の保護魔法が施されている。

 遠慮していたルルだが、ハンカチの刺繍を頼んだ対価だと押し切った。

 ハンカチは露天で買った。花の刺繍用は白、アレクサンド用は水色だ。

 彼女がもしルイーズだったら?

 はやる気持ちが答えを急くが、それよりもまず、どうか彼女がルイーズであってほしい。

 柄にもなく祈るような気持ちで、アレクサンドは最後の花火を見上げた。

「あー、終わっちゃった」

 ルルが残念そうに肩を落とす、

「花火が好きか?」